福徳岡ノ場の新島 一部消滅も「火山活動は依然盛ん」と専門家

JX通信社は、先月13日に噴火が確認された小笠原諸島付近の海底火山「福徳岡ノ場」で、かっこ型をした新島(直径約1km)の東側がほぼ消滅しているのを衛星写真から確認した。

8月25日(水)撮影

8月26日(木)撮影

撮影は、人工衛星を自社開発・運営する宇宙ベンチャー「アクセルスペース」との協同で、先月25、26日に実施。新島の西側はほぼ変化がなく、東側が一部を残してほぼ消滅している様子が確認できる。

火山学者で静岡大学防災総合センターの小山真人教授は、現在も新島の火口から「火山ガスや熱泥が吹き出している」ことが衛星写真から推定できると指摘。「新島の浸食が進む一方で火山活動はまだ盛んであり、今後も活発化の可能性はある」としている。(JX通信社/FASTALERT)


【小山真人教授コメント全文】

1.案の定、波浪や海流による新島の浸食が進み、東側の島については消滅寸前となっている。

2.緑色の変色水が漂っているのがわかるが、新島の周辺がもっとも濃く、そこから離れるにしたがって渦を巻いたりして薄くなっていることから、新島の火口が源とみられる。おそらく火口での熱水活動がまだ盛んに起きていて、火山ガスや熱泥あるいは熱水が吹き出しているものと思われる。

3.加えて、前回よりもわずかになったが、褐色の浮遊軽石が見られる。これも新島のまわりに多いことから、おそらく新島を形作っていた軽石が浸食によって海に漂っているものと思われる。

以上のように、浸食が進む一方で火山活動はまだ盛んであり、今後も活発化の可能性はあると考える。

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